阿佐ヶ谷から荻窪 前回公演「阿佐ヶ谷に死す」の公演期間中に阿佐ヶ谷のたこ焼きを食べ尽くし、阿佐ヶ谷への気まずさを払拭した山之内。今回公演は荻窪とのこと。 今回荻窪には気まずさを感じていない。私にとって荻窪は文化の自我の目覚めの地なのである。 中学時代の合唱祭や、はじめて自分で予約した吹奏楽コンサート(しかも楽団員さんと一緒に吹ける特典付き!!)は杉並公会堂だった。 合唱祭では同じ条件で練習してきた他クラスに勝ったり次の年は負けたりしたことで、はじめて「悔しさ」を強く感じた。また吹奏楽コンサートでは今所属している吹奏楽部を卒業した後どう吹奏楽と関わっていくかの道をその楽団員さん達を見て教えてもらった気持ちになれた。 結局高校卒業タイミングでコロナが流行った事で吹奏楽を辞めた山之内はそのまま演劇沼に自由落下したのであるが、そこで出てくるのも荻窪である。 私が参加した公演ではじめて中止の判断が出たのが荻窪小劇場なのだ。1ステージだけ立てた幻の舞台。私が出る短編のみ中止になった。それでも観に来てくれた大学の先生から貰ったお花が痛々しいくらいに鮮明な青を放っていたことを覚えている。私は悔しさによって自我が目覚めるらしい。みんなで稽古を重ねればいつか本番は来て、本番を重ねればいつか終演が来ると思っていた私はその瞬間、たとえ中止になってもまた部員たちと別の機会で公演を打てる大学演劇部との違いを感じたのである。つまり「毎公演命を燃やす」の意味がやっとわかったのである。この時21歳。演劇年齢2歳。正直遅い。 悲しいことの後には嬉しいことが起こる。つまり前回荻窪小劇場で悔しい思いをした山之内がいるので今回の劇団ドラハは何も悲しいことは起きないし何があっても大丈夫なのだ。 公演当日の朝ごはんは隣のすき家で食べよう。大好きな喫茶店邪宗門は野方に移転したらしいから野方に行こう。そうやって荻窪ポイントを貯めた者にこそ荻窪の神は微笑む。そう思いながら山之内は、もし荻窪と気まずい関係になった時に告知文に混ぜる荻窪のおすすめグルメを探すのであった。
PROFILE & OGIKUBO
山之内優衣

出演
山之内優衣
劇団ドラハ
小学生の頃学芸会で悪役をやったら、その帰り道知らない下級生に怖がられたことがある。 青山学院大学演劇研究会にて演劇を始める。 大きな声を出す演劇、言葉が伝わってくる演劇が好き。 出演歴 2026年5月 劇団美辞女 美女Vol.3 「ハラス」出演 2026年6月 劇団zzZ°第9回公演「フランドン中学校2年3組ブタがいた教室」出演 2026年10月 sleepwalk 《Next GENERATIONS》vol.3 「かたちにならない」出演 趣味 読書、ベース、喫茶店通い 特技 暖かいうどんのつゆを目分量で美味しく作れる、ハモり
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